飲酒運転ゼロプロジェクトに寄せられたお悩みの一部を、
専門家からの回答とともに掲載します。

お名前(ニックネーム可)
モカさん

― 相談内容 ―

単身赴任の父が2ヶ月に一度家に帰って来るのですが、その度にお酒をのむ量が増えてきてます。
最近ではほぼ毎日缶ビール10本以上飲んでいます。
お酒を飲むと性格が豹変し、攻撃的になり物に当たります。過去には暴力を母にふったこともあり怖いです。
父は会社からもお酒に注意を受けていますが、直す気はないようです。
家族が行っても聞く耳を持ちません。
やはり病院に行って治療するしかないでしょうか?

― 回答 ―

 モカさん、ご相談ありがとうございます。お父さまの飲酒で怖い思いをされ、アルコール問題について伝えても聞いてもらえず、大変ご心配されていることと思います。病院に行って治療をするしかないのではないかと既にお考えになっていることから、今までモカさんはお父さまやご家族のためにお酒との付き合い方を調べるなど、さまざまなアプローチ方法を試みてこられたのではないでしょうか。
 病院に行かれることのご検討は、とても良い案だと思います。想像ではありますが、お父さまはお酒を手放せない状況に陥っているのではないかと考えられます。一般的に、お酒は一時的に楽しさや癒やしを得るといったポジティブな面があります。しかし、寂しさや怒り、何か嫌なことを紛らわせるためといった現実逃避的に用いられることも多く、お酒への依存が進行してくると、お酒が切れた時に起こる手の震えなどの不快な症状(離脱症状)を緩和するためといった場合も否定できません。もしもこのように心や身体の問題が生じている場合は、モカさんやご家族の中だけで問題解決するのは困難ですので、医療機関での治療を受けていただくことをお勧めします。よろしければ、当院のようなアルコール依存症専門機関やアルコール健康障害サポート医のいる病院に一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。もしお父さまが病院へ行くことを拒否されていたり、ご家族の中でもお父さまを病院に連れていくことに対する抵抗感があるようでしたら、ご家族だけで私たちのような専門病院にご相談いただくことももちろん可能です。
 また、お近くの保健センターや保健所に相談して、お父さまの現状を一緒に整理したり、近隣の自助グループ(断酒会、AA)で同じような体験をされた方の話を聞いたりしてみるのはいかがでしょうか。あるいは、お父さまの会社での状況を確認したり、会社の産業医や産業保健スタッフ、上司の方に家庭での様子を伝えて周囲の協力を得たりすることも、現状が変化するきっかけになるのではないかと思います。
 最後に、普段は穏やかで優しい人が、お酒の影響で攻撃的になってしまうことがあります。暴言や暴力がみられた時は、そっと席を外して身の安全を確保してください。実際に暴力を振るわれる場合には、迷わず110番することも大切です。モカさんやご家族が安心して生活できることを最優先していただきたいと思います。
 今回、大切なご家族のことで相談するに至るまで大変悩まれたと思います。この勇気ある行動が、モカさん、お父さま、ご家族のためにも重要な一歩となり得ます。それでは、できることから取り組んでいきましょう!呉みどりヶ丘病院

お名前(ニックネーム可)
とーるさん

― 相談内容 ―

お酒やめれません、普通に仕事していますが。

― 回答 ―

 ご質問ありがとうございます。お酒がやめられないんですね。普通に仕事をされているようですが、仕事上あるいは日常生活で何かお困りのことがあるのでしょうか。
 「お酒やめれません」と言われるということは、お酒をやめてみようと考えてみたり断酒にチャレンジしたのだと推察します。お酒をやめた方が良いかもと思ったことは素晴らしいことです。
 とは言え、自分だけの努力で断酒したり生活習慣を変えたりするのは、なかなか大変なことです。誰かに相談しながら断酒にチャレンジしたり生活習慣を変える方が、うまく進むことが多いように思います。職場によっては産業医や産業保健スタッフがいろいろな相談を受けつけていますが、とーるさんは職場の産業医や産業保健スタッフに相談されたでしょうか。または信頼できる家族や友人などに相談されましたか。
 職場だからこそ相談しづらい、家族だからこそ相談しづらい、友人だからこそ相談しづらいと思うこともあるかもしれません。そんな場合は、保健所や精神保健福祉センターでも相談を受けつけています。あるいは、広島県にはアルコール健康障害の早期治療を目指したアルコール健康障害サポート医(サポート医)の制度があるので、お近くのサポート医に相談するのも良いかもしれません。アルコール依存症を治療する依存症専門医療機関でも、依存症を発症したかどうかの診断も含めて相談に応じてくれると思います。あるいは、以前はお酒の問題で苦労したけど今は断酒している人に相談してみるのも一案です。多くの断酒している人たちが自助グループ活動をしています。これらの情報は広島県アルコール健康サイトで閲覧可能ですので、参考にしてください。
 せっかく、「お酒をやめたい」「お酒をやめてみよう」と思われたのですから、上記のどこかにアクセスしてみてください。相談や治療の中で、どうしてお酒を飲みたくなるのかについて気づくことができるかもしれません。そしてお酒から距離を置く方法を見つけることができるかもしれません。場合によっては、お酒を減らすという方法で生活習慣などの現状を改善できることがあるかもしれません。どこかに相談することで、きっと、とーるさんの状況が少しずつ良い方向に向かうと思います。

広島県アルコール健康サイト | 広島県 (hiroshima.lg.jp)瀬野川病院

お名前(ニックネーム可)
仁美

― 相談内容 ―

別に飲みたいとか思わないのに飲んでしまう。そして食欲もおちてしまう。

― 回答 ―

 仁美さん、ご相談ありがとうございます。いつの間にか飲んでしまうという状況を変えたい、健康でありたいというお気持ちで、ご相談してくださったのではないかと考えてお返事します。
 仁美さんに、長年の飲酒習慣があったのであれば、現在の状況は、アルコールという薬物に心身ともに依存している可能性があると考えます。以前は、お酒に何かしらのメリット(楽しい、緊張がとれる、眠れるなど)を求めて、アルコールを使用し、飲み方や量もコントロールも出来ていたのに、今となっては、無意識的に手に取って飲んでいる状況となってしまった。そして、ご相談されたように食欲などの、生きる上で必要な基本的欲求へも影響を与えていると気付かれたのですから、この機会にご自身の状況を整理してみてはいかがでしょう。
 仁美さんが、飲むという行動(飲酒行動)を遠ざけたいのであれば、⓵自分の周囲から、お酒やそれに関連するものは、手に届くところには置かない。②飲酒行動のきっかけを明確にし、引き金となる状況を避ける、或いはアルコール以外の他の方法で対処する等が有効です。②の例として、不眠、人間関係、育児疲れによるストレスなどがよく挙げられます。依存状態に近い段階にあると、飲もうと思っていなくても、このようなきっかけで、脳がお酒を欲してしまい、いつのまにか手に取っていたなんてことも、起こり得るのです。特に女性では、同じ飲酒量・期間であっても、男性より早くアルコール依存症になるという報告もあるので、より早い気付きが望まれます。
 ここに相談して下さったということは、すでにご自身の行動を見直し、より健康な生活へと変わろうとしておられる証しだと思います。適切に対処すれば今の状況を変えることは十分可能です。
 今までもご自身でどうにかしようと努力されてきたのだと思います。どうぞ、これからは一人で抱え込まず、アルコール問題に関して相談できる医療機関や保健所なども、利用してくださいね。(こちらのサイトでお近くの相談場所も検索できます。是非ご活用ください)
呉みどりヶ丘病院

お名前(ニックネーム可)
パンダ侍

― 相談内容 ―

母親が、私が高校生の頃から飲酒しており、一度は幻覚が見えるほどまでひどくなりました。
今は昔より飲む量は減ったかもしれませんが、ふらついてこけることが頻繁になり、こけたこと自体忘れてしまっています。
どうにかして一度病院に連れて行きたいのですが、母親だけだと「いつか行く」と他人事です。
あまりにも無関心すぎて、私や他の家族もよくないと思いながらつい怒鳴ってしまいます。
どうすれば一緒に病院に行けるでしょうか。

― 回答 ―

 ご相談ありがとうございます。家族の問題を外に出すのは、勇気が必要だったと思います。パンダ侍さんの「相談する」という行動が、お母さんの回復につながる第一歩だと思います。
 文面からお母さんの心情を推察すると、飲酒に対する問題意識が薄い、もしくは飲酒がお母さんにとってはとても大事なことで、問題を認めてしまうともう飲めなくなるという気持ちを生み出しているのかもしれません。可能であれば、お母さんがしらふの時に、良い面(頑張っていると感じる)を伝えた後、「最近体の調子はどう?」と何げない会話をすることから始めましょう。そして、体を心配していること、また、お母さんに承諾を得て、パンダ侍さんがアルコール関連問題について調べてきたこと(飲酒問題は身近な問題であること早期の治療が有効であることなど)を伝えてみてはいかがでしょうか?
 このようなパンダ侍さんのいつもと違う行動がお母さんの行動変化を促すきっかけとなり得るかもしれません。その際、一人で悩みを抱え込まず、家族みんなで情報や状況を共有しておくことも、パンダ侍さん自身の心の健康を維持するためにも大事なことです。
 そんな余裕はなく、ふらついてこけたり、こけたこと自体を忘れているお母さんの状況が危機的な状況にあると感じるのならば、頭や体に外傷がないか確認の上、まずは身近な病院などを受診しようと提案してみてください(※頭に外傷があるならば早急に頭の検査が必要となります)。その際、可能であれば事前にお母さんの状況をこっそり病院スタッフに伝えておくと、アルコール専門治療に結びつきやすいと思われます。
 お薦めできる医療機関は「アルコール健康障害サポート医」のいる医療機関です。県から指定を受けた病院やクリニックが県内に約200カ所ありますので、広島県のサイトも参考にしてみてください。病院に抵抗があるようでしたら、最寄りの保健センターや保健所に相談し、ご本人の体調や仕事の状況などに応じて医療機関を紹介してもらいましょう。
 アルコール依存症について、すぐに専門医に診てもらいたいということであれば、当院や瀬野川病院(広島市安芸区)など県内13カ所が治療拠点機関や専門医療機関として指定されています。本人の受診が難しいのであれば、病院によっては家族だけで受診していただくこともできますので、まずはお電話で確認をお願いします。
 大変な状況だとは思いますが、今回相談してくださったように、パンダ侍さんや家族ができることから実践してくださいね。呉みどりヶ丘病院

お名前(ニックネーム可)
でくのぼうさん

― 相談内容 ―

義弟が日常的に飲酒運転をしています。
義母は飲んでいないと信じており、本気で向き合ってくれません。
近日中に精神科に義母も一緒に受診します。
きちんとアルコール依存性であることをわかってもらうために、どうしたらよいでしょうか?
医師は、はっきり危険性を伝えてくれるでしょうか?
(内容の一部を修正しております。)

― 回答 ―

ご家族の心労が大変な中、まずは、義弟の方が、精神科への受診を選択できたのであれば、その決断をねぎらう言葉を伝えるのが良いかと思います。
受診されるのであれば その時の診察時に医師から、依存症について、飲酒運転に至る経緯、危険性なども含めて説明があると思います。
ただ、本人があまり問題に感じていない場合や 病状が進行していれば、飲酒運転がすぐになくなるわけではないので、本人、家族を交えて慎重に治療方針を決めていかなければなりません。
依存症は自身の問題を認めないことが病気の特徴なので、きちんとアルコール依存症であることを分かってもらうには、ご本人とご家族に医療と繋がり続けてもらうことが1番大切です。
大変な心境におられると思いますが 少しでも解決に役立てていただけたらと思います。
今後もお困りのことがあればでくのぼうさん、妹さんだけでも相談をお受けできますので当院にいつでもご相談ください。瀬野川病院

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